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折々のことば

1月25日の朝日新聞1面の「折々のことば」で田中角栄さん(1918→1993)のことばが掲載された。
「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない」続けて「だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」とある。安倍政権の今がそういう時代に入りつつあるように思う。
昨日、野中広務さん(1925→2017)も亡くなった。二人とも自民党政治の中心にいた人だ。
二人が「日本が戦争をする国になってはならない」という政治信条を持っていたことは活躍している時代には知らなかった。むしろ逆だと思っていた。自由党の小沢一郎さん(1942→)は私の世代に近い。彼も今「安倍政権による憲法改正」に反対している。彼の平和に対する心情も最近になって知った。
政治家を含めて簡単に敵味方に分けてみたり、すぐにレッテルを貼って後は聞かなくても良いという姿勢は傲慢な態度だったと反省している。

西部邁さんが1月21日多摩川に死んだ。保守派の中心人物の一人と理解しているが「保守やリベラルは対立するのではなく相互補完的な関係にある」「右だろうが左だろうが、ある程度の違いは論理の力で束ねられるという信頼があった」という考えだったらしい。朝日新聞に佐伯啓思さんが「異論のすすめ」を連載していて私はいつも興味深く読んでいる。傾聴に値する提起が多い。対立したり、俄かに受け入れられない考えだとしても排除したりせずにその本意を見定めて行けば、合意できなくともお互いに理解しあえる地点が見つかるはずだという達観視した懸命さを私は感ずる。私もそうありたいと思っている。