中村哲さんが殺害された。2019年12月4日。この日を心に留めておこう。
言葉が出ない。こんな不条理があっていいのか。日本人で誇れる筆頭に位置する一人であることは言を待たない。不世出の人と言っても過言ではない。私は心から尊敬していた。
「戦争を無くするにはその原因を解決する必要がある」。
医者が本業でありながら、彼はブルトーザを運転して農地の灌漑などを進めていた。
人間一人できることは限られている。根本解決の道は遠い。それでも中村哲さんは前に進んだ。本当に頭が下がる。そんな彼が殺された。何という理不尽。
私たちは悲しみの中にいる。失ったものは余りに大きい。しかし、彼は私たちを手招きしている。「私の後に着いて来い。私の背中に続いてほしい」。彼はそう言っている。そうだ私たちは彼の後に着いて行こう。
中村哲さんは空に輝く星になった。あの星を目印に私たちは進んで行こう。
いつまでも悲しんではいられない。それでも悲しい。本当に悲しい。
中村哲さんがめざしていた、本気でめざしていた戦争のない世界に近づくために、彼の背中について行こう。
もっともっと仲間に呼びかけて、仲間を増やして、大きなうねり、大きな川になりたい。
中村哲さんの歩きたかった道を今度は私たちが開いて歩いて行こう。前へ、前へ、前へ!
2019.12.5 黒井秋夫。