· 

2月号ニュースを公開します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会2025年2月号

PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」は厚生労働省と面談、アジア太平洋戦争に従軍した日本兵の帰還後の実態(戦争トラウマ)調査を国の責任で実施するよう要請いたしました!

2025.2,13(於:衆議院第2議員会館・面談室)

1,出席者

・厚労省 山田亮(社会・援護局援護企画課 課長補佐)

    名取剛(社会・援護局援護企画課 施設指導係長)

・「PTSD日本兵家族会」

・ 黒井秋夫、森倉三男、藤岡美千代、黒川安子。

・「寄り添う市民の会」(オブザーバー参加)8名。

・国会議員関係 

    宮本徹(前衆議院議員。日本共産党)川野純平元秘書(現・田村とも子衆議院議員秘書)

    本村伸子(衆議院議員。日本共産党・東海ブロック選出。途中退席)丸山理絵秘書

    大椿ゆうこ(参議院議員。社民党副党首。途中から参加)小野寺葉月秘書

 

    大澤祥文秘書(酒井なつみ衆議院議員)、岩藤智彦秘書(田村貴昭衆議院議員)

    前田義則(共産党国会議員団東京事務所)、新城清秀(共産党国会議員団事務局)

・メディア

   ・NHK山形、共同通信、TBS、毎日新聞、沖縄タイムス、日本電波ニュース、しんぶん赤旗、

東京民報 (厚労省側から、出席担当官の顔の撮影がなければ、録画録音は可との説明)

2,面談内容

・宮本徹 武蔵村山で声をあげた黒井さんを応援してきた。今日はしょうけい館での、展示準備の進み具合など率直に伝えてほしい。今年は、戦後80年の節目の年であり、空襲被災者の補償問題などと並んで、PTSDに苦しむ家族の問題解決が前進する必要がある。

・黒井秋夫(今日の懇談の意義・目的)

    先日、優生保護法の誤りを認めた国が、被害当事者に謝る映像を見た。国がPTSD日本兵の家族に謝罪する日がくることを想像した。復員日本兵は約800万人。アメリカの研究によれば帰還兵の2050%がPTSDを発症する。それをあてはめれば、約300万の復員兵がPTSDを発症したはず。兵士が5人家族をつくったとすれば、約1500万人がその影響をうけたと推測される。まさに国家的な大問題。国が責任を負うべき問題。国が調べ、国が謝罪すべき問題。今日は、当事者家族の話を聞いてほしい。

・森倉三男 父は1919年(大正8年)生まれ。43年に召集され、ラバウル、パラオ、セレベス、ジャワと転戦・逃げ回り、458月にベトナムで捕虜になり、465月に復員した。部隊の帰還率は20%だったという。戦後は、開拓民農家として暮らし、アル中となり、火災事故で死亡した。戦死した仲間のことを思って心が硬直していった。

    この問題の中核にはPTSDの問題があり、周辺には広く戦争トラウマと呼ばれる諸症状、アル中、家庭内暴力、貧困の問題などがある。戦後社会のなかで生きて行くことができない復員兵の姿があった。中核的問題(PTSD)とあわせて、その影響がもたらした構造的問題の総体を明らかにする必要がある。そうしてこそ、後世に伝える教訓となる。

・藤岡美千代 父は47歳で自死した。19歳で海軍に入り、敗戦後はシベリアで6年間抑留された。復員後の最初の結婚は家庭内暴力で破綻した。私の母との再婚で、兄と私が生まれた。記憶にある父は酒を飲んで暴れる父だ。もうじきご飯が食べられるというときに、ちゃぶ台を蹴とばし、母と子どもに暴力をふるう。「美千代逃げるぞ!」という兄の声で、夢中で裸足で逃げた。冬も裸足で逃げて、母が迎えに来てくれるのを震えながら待っていた。私たちに暴力を振るう時もあったし、「あいつらが殺しにくる」と震えている時もあった。あいつらが、ロシア兵なのか、日本兵なのか、それは分からない。それが57歳の父の記憶だ。9歳の時に、すでに母とは離婚して別のところで暮らしていた父が死んだ。それを聞いた時に、兄と一緒に万歳した。

    それから60年近く、父はいなかったことにしてきた。しかし、「PTSD日本兵家族会」のことを知って、なんで父は47歳で首を吊らなければならなかったのかと考えるようになった。56年ぶりに父の親戚とコンタクトがとれ「戦争に行く前はいい人だった」と

    聞いたが、そんなのウソに決まってるとしか思えない。自分で「石松(父の名)のこと知っている人はいませんか」と、父の出生地で生前の父を調べ始めたが、応じてくれた村の人は3人だけだった。身内の私ですら調べきれない。

    みなさん(厚労省)がこれから調査を始めるというが、どうやって、なにを調べるんですか。原爆被災者のことを調べる時に確かに爆心地にいたという「証拠」が必要というような話を聞いたが、PTSDについても同じことをやるんですか。

    そんなことをするまえに、当事者である私たち家族の話を聞いてください。私たちが生き証人です。心を病んでいるがゆえに「恩給不可」のハンコを押された父を支えるために、母は働き抜いた。それを見てきた私たちの話しをまず聞いてください。

・黒川安子 父は大正5年(1916年)生まれ、警視庁の警察官だった。ヤミ米を取り締まる仕事に嫌気がさして、満蒙開拓団に応募した。開拓団に入れば徴兵を免れるという話しを信じて兄弟たちと一緒に入植したが、敗戦直前に徴兵され、敗戦でシベリアに抑留された。ひとり残された母は乳幼児をかかえての逃避行で、2歳と1歳の子どもを死なせた。

    日本軍は、ロシア参戦を聞いて豆満江にかかる橋を爆破して逃げた。橋が爆破されて逃げ場を失った母方の親族5人、母が抱えていた乳幼児2人が死んだ。昨年「PTSD日本兵家族会」は謝罪のための訪中をしたが、私にとっては慰霊の旅でもあった。

    昭和22年(1947年)に復員した父は、子ども二人を死なせた母を責め続けた。暴力を振るったり、アル中ということはなかったが、おカネしか信じられない冷たい人だった。父と母の関係は最悪だった。心が冷たいというだけで、家庭は崩壊する。

    母は、わたしが就職して独り立ちしたとき、すぐに離婚した。父は後年、孤立死した。

    私には昭和23年(1948年)生まれの兄がいるが、輸血が原因のB型肝炎で亡くなった。父は、兄と同じ血液型であるにもかかわらず兄の入院中一度も見舞いに行かず、一滴の血も提供しなかった。兄は、売血の粗悪な血を輸血され、B型肝炎になった。わたしは兄の死は、父によるセカンドレイプだと思っている。同年代の方たちとあの戦争のことを語り合うと、どこの戦場でも上官がいち早く逃げたという話題になる。2度と愚かな戦争をおこさせない。それがわたしたちの務めだ。

・黒井秋夫 PTSDを発症した日本兵の、多くの子どもたちが父を恨んで育った。親の暴力を受けた子どもたちが自分の子どもに暴力を奮う連鎖もおきている。まだわたしたち2世が生きている間に戦争をおこした国が、責任をもって実態調査をする必要がある。子どもたちが父親を憎むような国のままでいいんですか。

    1,しょうけい館で2025年度に予定する戦争神経症に関する展示物の概略を教えてほしい。

    2,2024827日の記者会見で、当時の武見厚労大臣は、兵士の実態調査は「研究者の意見を聞いて検討する」と語ったが、その後の検討内容を教えてほしい。

・山田亮 1,展示の概略について、いまお話しできるものはない。 

     来年度の展示をめざして、しょうけい館の担当者が、専門家の話を聞いたり調べたり、入院患者がいた病院の記録を調べたりしている。

    2,「その後の検討内容」について、いまお話しできることはない。

     来年度の展示の準備を全力でやりきって後からにしたい。

・宮本徹 来年度からの展示とは、4月からか?せめて815日までには展示すべきではないか。

・山田亮 時期については言えない。全力で取り組むが、年度後半になる可能性もあると思う。

・大椿ゆうこ 武見大臣と話し合ったことがあるが、彼の「戦病者とその家族が戦中戦後に体験したご苦労を次の世代に伝えていく」という決意、熱意は本物だと感じた。厚労省として、武見大臣の意志をなんとしても実現する必要があるのではないか。

・藤岡美千代 本気でとりくんでほしい。どんな協力でもする。具体的になにをするかということのなかに、教科書で日本兵のPTSDをとりあげるということも考えてほしい。文科省とも横の連携をとってすすめてほしい。

・森倉三男 815日に合わせて「このように展示しました」で終わる問題ではない。構造的に次世代につなげていくためにはどうすればいいか。

    強い声も、おだやかな声も、みな含むような展示が求められる。

・山田亮 政府が関わる展示には「客観性の担保」とか、いろんな問題があることをご理解いただきたい。展示開始時期は今は言えないがしょうけい館での展示は必ずやるということだけは申し上げる。

・宮本徹 1,文科省との共有にはぜひとりくんでもらいたい。2,3月に有識者を交えての検討があると思うが、それをどう持続していくか。

・山田亮 着手は難しいが、ゼロからスタートし、あらゆることを検討している。今日うかがった家族のみなさんのご意見は、重くうけとめる。

・黒井秋夫 国が実態調査をやらないなら、民間のメディアが先行する可能性がある。1万件というようなサンプリングで無作為の世論調査をすれば、かなりの割合でPTSDの日本兵の存在、家族に与えた影響が浮かびあがるだろうと思っている

    国が「そのうちやる」と言っている間にわたしたちがいなくなってしまう可能性もある。早く着手してほしい。それは、わたしたち家族の話を聞くことから始まる。

    今日の懇談の場を設けてくださったことに感謝する。前回お会いした時とは、ずいぶん違う、前向きな感触を得た。次は、わたしたちから要望されたからということではなく、厚労省のほうから「家族の話が聞きたい」と、懇談の場を設けてほしい。(拍手)

    拍手で終わる懇談もいいものですね。

1120 懇談会終了。諸メディアと厚労省職員との名刺交換などがあり、厚労省側退席。

    引き続き、その場に残って感想を述べ合う。

・大椿ゆうこ 厚生労働委員会のメンバーとして、今日の懇談を有意義に活用していきたい。つくづくと、この国は戦争をやるだけやって後始末をなにもしない国だと感じる。いまや軍事費87千億円、抑止力と称する戦争準備が進んでいると、ひしひしと感じている。国会では「抑止力増強」にまともに反対しているのは共産党さんとわたしたちだけ。みなさんと一緒にがんばりたい。

・黒井秋夫 今日、議員さん自身は参加できなかったが秘書の方が参加してくれた党もある。わたしは、この問題は自民党も共産党もない、超党派の国民的な課題だと思っている。今日参加された議員と関係者のみなさんに、ぜひ院内集会の実現に力を貸してほしい。

・大椿ゆうこ まさに超党派で取り組むべき問題。自民党の厚労族に、みなさんから働きかけてほしい。(大椿さん、次の予定のため退席)

・佐藤定夫 宮本さんに質問。さきほど厚労省のかたが「客観性の担保」と言われたが、あれは、家族の話を一方的に聞くだけでは「客観性がないからムダ」というような意味ですか。

・宮本徹 そうではないと思う。今日の彼の対応には、できるだけのことはやるという決意を感じた。今日のような場をつみ重ねていくしかない。

・黒井秋夫 とても意義のある懇談だった。次は8月前に院内集会を実現したい。

12:00 感想会終了。退出。 以上。(寄り添う市民の会・佐藤定夫/記)

支援カンパをお願いいたします!

★皆さまのご支援が活動を支えています!

2025年、東京・大阪など各地で証言集会を開催します。PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会を全国の道府県で立ち上げ拡げます。証言集会開催、PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会各地の立上げを支援します!皆様のご支援をお願いいたします!

カンパ振込先口座名義 PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会

★ゆうちょ銀行からの送金(郵便振替用)

ゆうちょ銀行口座。 記号 11390・番号 21576251

★ゆうちょ銀行以外からの送金 (内国為替用)

ゆうちょ銀行口座。★店名 一三八(イチ サン ハチ)・店番138 ・普通預金(口座番号)2157625

★2024年の会計報告(202411日~1231日)

202511日の繰越金486.301円 収入(カンパ、黒井講演料など)1.964.968円  

経費 2.123.754円 書籍販売 仕入れ349.990円 販売415.570円 差益65.670(収入に含む)

20241231日の総残高 327.515

会計中間報告(202511日~131日)

202511日の繰越金327.515円 収入(カンパ、黒井講演料など)52.909円  

経費 81.658円(上記に含むが)書籍販売 仕入れ0円 販売29.300円 差益29.300

2025131日の総残高 298.768

3502人が来館!75%は子どもたちです!

PTSDの「日本兵と家族の交流館!2月25日(水)現在

子どもたちに「戦争をしてはいけない」が伝わる場所です

家族会・市民の会の運営は一人ひとりを尊重した優しい運営をいたします

自分と違う意見やお話しでも最後まで聞く。人の話を途中でさえぎらない。大きな声を出さない。威嚇するような言い方はしない。誰にも何も強制されない、という個人を尊重する簡単なルールで運営を心がけています。定例会など一回限りの参加も歓迎します。その後も無理をせず都合良い時にお出で下さい。それでも、いざという時には大きな力を発揮する温かく頼りになる「家族会・寄り添う市民の会」をめざします!

■「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」行事予定

PTSDの日本兵家族会は当事者だけが参加できますが、家族会以外はどなたでも参加歓迎しますオンラインの読書会、全国情報交流会に参加希望の方はqqkc6av9@ceres.ocn.ne.jp(黒井秋夫)に連絡いただければアドレスをお送りします。

316日(日)「家族会・市民の会・東京例会」東京都戦没者霊苑

PTSDの日本兵家族会(10:0012:00)は当事者以外の参加はできません。

初めての参加の場合は黒井秋夫まで連絡下さい。13時からの「寄り添う市民の会」はどなた

でも参加歓迎したします。連絡先☎08011213888 メールqqkc6av9@ceres.ocn.ne.jp

318日(火)ジーンシャープオンライン読書会 19:0021:00

319日(水)「沖縄戦を生き抜いた人びと」オンライン読書会 19:0021:00

321日(金)オンライン手記編集委員会19:0021:00

323日(日)「寄り添う市民の会・関西例会」国労会館 13:30

326日(水)3月号ニュース発送作業日 中藤地区会館 13:00

327日(木)全国オンライン情報交流会19:0021:00

415日(火)ジーンシャープ読書会19:0021:00

416日(水)狭山市憲法カフェで黒井秋夫が講演

416日(水)「沖縄戦を生き抜いた人びと」オンライン読書会 19:0021:00

417日(木)練馬区で黒井秋夫が講演

418日(金)オンライン手記編集委員会19:0021:00

419日(土)「あの少女の隣に」胡桃沢伸さんとアフタートークに黒井秋夫参加(オフィス

まほろば)

420日(日)東京家族会・市民の会 オリンピックセンター10:0016:00

424日(木)全国オンライン情報交流会19:0021:00

427日(日)「寄り添う市民の会・関西例会」PLP会館 13:30

429日(火)~53日(土)立川憲法集会にパネル展示
5月 2日(金)~56日(火)黒井秋夫訪中写真 &日本軍の毒ガス展にパネル展示 

かながわ県民センター1階展示場

5月 4日(日)黒井秋夫が講演14:00~ かながわ県民センター1階展示場

525日(日)「寄り添う市民の会・関西例会」国労会館 13:30

518日(日)「家族会・市民の会・東京例会」東京都戦没者霊苑

614日(土)亘理町9条の会 黒井秋夫が講演 13:30

615日(日)東京家族会・市民の会 オリンピックセンター

628日(土)大阪府保険医協会で黒井秋夫が講演

629日(日)PTSDの日本兵の家族の思いと願い関西証言集会 PLP会館

720日(日)「家族会・市民の会・東京例会」東京都戦没者霊苑

824日(日)PTSDの日本兵の家族の思いと願い東京証言集会 オリンピックセンター

新デザインの白旗を千円でお分けします

 

世界中の人が分かるNOWARを入れ、縦を150㎝と短めに